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コンパイラ・言語処理系の本おすすめ7冊|作って学ぶ入門→定番教科書の順

技術書の本棚 編集部|公開 2026-10-27

コンパイラの本は、小さな言語を作りながら学ぶ本と、理論を体系的に学ぶ教科書に分かれます。いきなり1,000ページ級の教科書から入ると挫折しやすいので、この記事では作って学ぶ本から順に7冊を並べます。

先に結論:読む順番

順本役割
1Go言語でつくるインタプリタ小さな言語を最後まで作って全体像をつかむ
2言語実装パターン構文解析・インタプリタ・言語変換の「型」を身につける
3最新コンパイラ構成技法コンパイラの各段階を教科書で体系的に学ぶ
4コンパイラ 原理・技法・ツール(第2版)定番の教科書(ドラゴンブック)で深める
5コンパイラの構成と最適化(第2版)日本語で最適化まで学ぶ
6ガベージコレクションメモリ管理(GC)を専門に学ぶ
7型システム入門型の理論を専門に学ぶ

7冊の比較表

本刊行判型・ページタイプ
Go言語でつくるインタプリタ2018年6月B5変形・296ページ作って学ぶ
言語実装パターン2011年12月B5・325ページパターン集
最新コンパイラ構成技法2009年10月B5・505ページ教科書
コンパイラ 原理・技法・ツール(第2版)2009年5月A5・1,090ページ教科書
コンパイラの構成と最適化(第2版)2009年11月A5・601ページ教科書
ガベージコレクション2016年3月B5・543ページ専門書
型システム入門2013年3月B5・503ページ専門書

1. Go言語でつくるインタプリタ

Go言語でつくるインタプリタの表紙
Go言語でつくるインタプリタ
Thorsten Ball 著/設樂 洋爾 訳/オライリー・ジャパン/2018年6月/ISBN 9784873118222
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出版社の紹介によると、Go言語で「Monkey」というC言語風の小さな言語のインタプリタを、順を追って組み立てていく本です。字句解析器・構文解析器・評価器を作りながら、ソースコードがトークン列、抽象構文木へと変わり、評価されて動くまでを体験できます。

目次は「字句解析」「構文解析」「評価」「インタプリタの拡張」の4章と、付録の「マクロシステム」。296ページで最後まで作り切れる分量なので、コンパイラの全体像を最初につかむ1冊に向いています。Go言語の基本は読めることが前提です。

2. 言語実装パターン

言語実装パターン : コンパイラ技術によるテキスト処理から言語実装までの表紙
言語実装パターン : コンパイラ技術によるテキスト処理から言語実装まで
Terence Parr 著/中田 育男、伊藤 真浩 ほか/オライリー・ジャパン/2011年12月/ISBN 9784873115320
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副題は「コンパイラ技術によるテキスト処理から言語実装まで」。著者は構文解析器生成系ANTLRの開発者 Terence Parr です。構文解析・意味解析・インタプリタ・言語変換を「パターン」として整理した本で、出版社は sed や awk では複雑になりがちなテキスト処理にも使えると紹介しています。

目次は「構文解析」「言語を解析しよう(木の構築・記号表・型の規則)」「インタプリタを構築しよう」「言語の変換と生成」の4部構成。DSL(小さな専用言語)や設定ファイルの解析を仕事で作る人にも向いています。

3. 最新コンパイラ構成技法

最新コンパイラ構成技法の表紙
最新コンパイラ構成技法
Andrew W. Appel 著/神林 靖、滝本 宗宏 訳/翔泳社/2009年10月/ISBN 9784798114682
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大学のコンパイラの授業の教科書として書かれた本で、例のコードは ML という言語で書かれています。第1部の基礎編で字句解析から構文解析・意味解析・中間コード・命令選択・レジスタ割付けまでを1本のコンパイラとして通し、第2部の発展編でガベージコレクション、オブジェクト指向言語、関数型言語、ループ最適化などを扱います。付録の「Tiger言語」にちなんで「タイガーブック」と呼ばれることもあります。

4. コンパイラ 原理・技法・ツール(第2版)

コンパイラ : 原理・技法・ツールの表紙
コンパイラ : 原理・技法・ツール
Alfred V. Aho ほか 著/原田 賢一 訳/サイエンス社/2009年5月/ISBN 9784781912295
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出版社が「ドラゴンブック」と紹介している、コンパイラの定番教科書の第2版です。前半は学部の授業向けにコンパイラ設計の基礎(字句解析・構文解析・中間コード生成・コード生成)、後半は大学院向けに最適化(機械独立の最適化、命令レベルの並列化、手続き間解析など)を扱います。A5判で1,090ページあり、通読より、必要な章を引く使い方が現実的です。

5. コンパイラの構成と最適化(第2版)

コンパイラの構成と最適化の表紙
コンパイラの構成と最適化
中田 育男/朝倉書店/2009年11月/ISBN 9784254121773
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中田育男さんによる日本語の教科書です。第1部の概要、第2部の構成(文法・字句解析・構文解析・意味解析・実行時記憶域と仮想マシン・目的コード生成)に続き、第3部で最適化(データの流れの解析、SSA形式、命令スケジューリング、レジスタ割付け、ループ変換など)を詳しく扱います。最適化を日本語の教科書で学びたい人に向いています。

6. ガベージコレクション

ガベージコレクション : 自動的メモリ管理を構成する理論と実装の表紙
ガベージコレクション : 自動的メモリ管理を構成する理論と実装
Richard Jones、Antony Hosking、Eliot Moss 著 ほか/翔泳社/2016年3月/ISBN 9784798134208
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副題は「自動的メモリ管理を構成する理論と実装」。マークスイープ・コピー・参照カウントといった基本の方式から、世代別・並列・並行・リアルタイムのガベージコレクションまでを扱う専門書です。出版社は、アルゴリズムだけでなく実装方法と長所・短所を比べ、必要な方式を選ぶ目を養う本と紹介しています。言語処理系やランタイムを作る人向けです。

7. 型システム入門

型システム入門 : プログラミング言語と型の理論の表紙
型システム入門 : プログラミング言語と型の理論
Benjamin C. Pierce 著/住井 英二郎 ほか/オーム社/2013年3月/ISBN 9784274069116
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副題は「プログラミング言語と型の理論」。目次は「型無しの計算体系」「単純型」「部分型付け」「再帰型」「多相性」「高階の型システム」の6部構成です。型の理論を基礎から積み上げる専門書なので、型推論や型検査を自分で実装したい人、プログラミング言語の研究に進みたい人に向いています。

選び方のまとめ

OSやCPUなど、さらに低いレイヤーに興味が出たら組み込み・C言語・OS自作の本も参考にしてください。

この記事の確かめ方

書名・版・刊行年月は国立国会図書館サーチとopenBD、目次・判型・ページ数・内容は紀伊國屋書店の書誌(出版社内容情報)で確かめています(2026年10月27日確認)。本の説明は目次と出版社の紹介をもとにした整理で、読んだ感想として書いたものではありません。